2009年の読書のまとめ4月分です。
星による評価の基準については前述の通りです。
● 2009年04月(3冊/計25冊)
■ 18 万葉秀歌 上(斉藤 茂吉)
(★★☆☆☆)
■ 24 万葉秀歌 下(斉藤 茂吉)
(★★☆☆☆)
万葉集の中から、作者が重要だと思った歌を抜粋して、解説を加えた本です。
えらく古めかしくて、文章も作者の好みが色濃く反映されており、解説書というよりは、独白書という感じで、読んだ直後は評価が低かったのですが、新古今和歌集を読んだあとに評価が少し高まりました。
理由は、選んである歌が的確だったから。
新古今和歌集で、本歌として採用されているような歌がやたら多かったです。そして、万葉秀歌で書かれていたエピソードが、その読解に大いに役立ちました。
読んでいる時には分りませんでしたが、後で重要さが分る本もあるのですね。
でも、読みにくく、読んでいる時にストレスを感じたのは事実です。というわけで、★二つにしました。
■ 25 街道をゆく15 北海道の諸道(司馬遼太郎)
(★★☆☆☆)
北海道の話。北海道と言えば、同作者の「菜の花の沖」の情景が頭に浮かびます。そういった話もからませながら、古い時代の北海道から、明治維新後の開拓時代の北海道まで、いろいろと話を書いていました。
その中で、記憶に残っているエピソードは三つです。
一つは蝦夷錦の話。この話は、その後に見た、NHK高校講座 日本史にも出てきました。アジア世界の広がりの広さを感じるエピソードでした。
もう一つは、明治維新頃の船の話。どこに沈んだか分らず、町でも探していたけど見つからず、その海域に桟橋を立てたら、海流が変わって、船が発見されたという話。
その発見された場所というのが桟橋の真下です。泥にまみれて気付かず、その上に桟橋を建設していたそうです。
そういったこともあるのですね。この話は、かなり驚きました。
三つ目は、開拓時代のタコ労働者の話。これは、えげつないですね。素直に怖いです。
その様子がよくわかる本として、「常紋トンネル—北辺に斃れたタコ労働者の碑」「赤い人」の二冊を挙げていました。これは、そのうち読んでみようかと思うのですが、鬱になりそうな話なんだろうなと思います。