映画「GONZO〜ならず者ジャーナリスト、ハンター・S・トンプソンのすべて〜」のDVDを去年の2月に見ました。
2008年の映画で、監督はアレックス・ギブニー。脚本はアレックス・ギブニー、ハンター・S・トンプソン。出演はハンター・S・トンプソン(アーカイヴ映像)、ナレーションはジョニー・デップです。内容はドキュメンタリー映画になります。
アレックス・ギブニーは「エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?」(2005)の監督です。
ジョニー・デップは、トンプソン原作の「ラスベガスをやっつけろ」の主演もしたことがあり、彼の信奉者だそうです。葬儀の際には資金も提供していると。
ハンター・S・トンプソンは「ゴンゾー(ならず者)」と呼ばれていた、対象に肉薄していく過激なジャーナリストだったそうです。
映画の感想は、昔の大物俳優のような、とんでもない破天荒な人だったという感じです。
まあ、憧れる人がいるのは分かるし、こういう人生もありだとは思いますが、真似したいとか、成りたいとかは思わないタイプでした。
何というか、ブレーキの付いていないダンプカーで突っ走るみたいな人生です。
私はそういった人生よりも、堅牢な城を積み上げるような方向性の方が好きなので。
あと、大物ではなく、やはり小物感が拭えないなというのが少しありました。
私の中では、ジャーナリストや文筆家はあくまで従であって、主である事件や人物が別にいるという感覚です。
なので、突き抜けた快感を、この映画では感じませんでした。
まあ、一番の理由は、人生の快楽の方向性が、このトンプソンと自分とで大きく異なっているからなのだろうなと思いましたが。
それと、分かれた奥さんが、トンプソンのことを好きで好きで信頼している感じなのが、ちょっと面白いなあと思いました。また、フリーセックスの時代なんだなあというのが、印象的でした。
最後に、ハンター・S・トンプソン自身のことを知っていないと、ちょっと弱い映画だなあと思いました。
というわけで、映画関係者による評価が高い作品ではありましたが、私はあまり共感できませんでした。