映画「精神」のDVDを2012年6月に見ました。
2008年のドキュメンタリー映画で、監督・撮影・編集は想田和弘です。
「選挙」に続く、観察映画第2弾ですが、ゴールがないので、ちょっと見ていて辛かったです。
● なぜ面白くないのか
これは割と明確で、物語ではないからです。
スタートと、ベクトルと、ゴールがあるのが物語だとすれば、この映画にはそのどれもがありません。本当に「観察」映画。
いろいろと精神に病を持つ人の状況が出てきて、なるほどと勉強になり、いろいろと考えさせられるのですが、だからといって共感したり、物語に入るようなことはありません。
そのため、135分見終わるのがけっこう大変でした。どの場面を見ても、あまり差がないので。
やはり、2時間近く人を引き付けるには「物語」という装置は必要だなと思いました。
● 映画の内容
岡山市にある精神科診療所。自宅兼病院のその木造住宅には、精神を強く病んだ、様々な人が通院してきている。
彼らは様々な過去を抱え、強い薬を多く飲み、精神の病から抜け出せずにいる。
カメラは、その診療所と医師やスタッフ、患者の様子を観察して、様々な「声」や「思い」を引き出していく。
● 面白くするには
面白くするのが目的の映画ではないのに「面白くする」も何もないのですが、何か物語の発端となる問題と、その解決によるゴールが用意されていればよかったなあと思いました。
まあ、ドキュメンタリーなので、そういった話がなければ、どうにもならないのですが。