ソフトニック問題 [1] [2] [3] [4] [5] [6]

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　今回のソフトニック（Softonic）による「ソフトウェア著作物無断使用問題」について、私は2011年1月27日（金曜日）に取引先の会社より報せを受けました。

　この問題は、私自身と、私の身近な人々に直接関わってくる問題なので、看過できないと判断しました。

　そして、この問題に関して情報共有するために、何人かの方とTwitter上、あるいはメールやmixiで、やり取りを行ないました。

　その一環として、株式会社ソフトニック自身に対しても、ソフトウェアの著作権について、どういった考えを持っているのかという、質問メールを送信しました。

　質問のメールを送ったのは2011年1月28日です。返信があったのは1月31日になります。その時点で得られた回答は、「日本の法事情を踏まえ、弊社の本社の法務担当と相談させていただきます」というものでした。

　この文章を書いているのは2月7日です。返信より1週間が経過しましたが、その後の返答は得られていません。

　また、ソフトニックからは、「弊社サイトに掲載されております御社のソフトウェアのページは非表示にさせて頂きます」と返答がありました。

　そのため、弊社ソフトの紹介記事は、現在Webからアクセスできない状態になっています。

　このやり取りを見る限り、問い合わせがあれば「取り合えず該当ページを消す」という方針のようです。

　以下、弊社からソフトニックに送信した質問メールの内容を掲載いたします（ソフトニックへの問い合わせを書く方は、必要な箇所を利用していただいても構いません）。

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件名：御社サイト上でのソフトウェアの二次配布につきまして

本文：
株式会社ソフトニック
○○ 様、○○ 様
（その他 ご担当者様）

クロノス・クラウンの柳井と申します。

2010年11月に、御社○○様よりメールをいただき、弊社ソフトウェ
ア2件のレビューを、御社サイト上にて掲載していただきました。

「めもりーくりーなー」
http://mclean.softonic.jp/
Shuichi Sato 様 執筆

「ラジオ・ブラウザ」
http://radio-browser3.softonic.jp/
Akari Muramatsu 様 執筆

（上記お二方の名前は、該当サイトに掲載されております）

上記2つのソフトウェアにつきまして、御社サイト上にて、著作権
や著作者人格権の観点から問題のある再配布が行われているという
報告を受けました。

具体的には、上記ソフトウェアのダウンロードページから、専用ダ
ウンローダーを通して、ソフトウェアをユーザーに配信するという
方法です。

専用ダウンローダーを通しての配布は、以下の問題を抱えておりま
す。

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● 送信可能化権（著作権法第23条 公衆送信権等）の侵害

ソフトウェアの著作者は、インターネットなどで著作物を自動的に
公衆に送信し得る状態に置く権利を有しております。著作者の意図
しない形での配信は、上記法律に抵触することになります。

（平成9年に導入されたこの法律では、摘発者や逮捕者が過去に出て
おります）

御社の本社はスペインにあるそうですが、スペインには本法律はな
いようですので、この問題に気付いていない可能性もあると考えて
おります。

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● 著作者人格権の同一性保持権（著作権法第20条 同一性保持権）
　 にかかわる問題

ソフトウェアの著作者は、ソフトウェアの同一性を保持する権利を
有しております。これは、意に反してこれらの変更、切除その他の
改変を受けないことを意味しています。

本件の同一性に関しては、かかるソフトウェアを、単体で動作する
形で直接入手できる状態でユーザーが利用可能な状態を指します。
専用ダウンローダーを利用した配布は、このソフトウェアへの改変
と見なされます。

御社サイトでは、ユーザーにソフトウェアをダウンロードするよう
に促す際、専用ダウンローダーを利用するようにユーザーを誘導し
ます。

そして、専用ダウンローダーをダウンロードさせる際に、ソフトの
タイトル名を表示した真下に「ソフトウェアをダウンロードしてい
ます」と表示します。

そのためユーザーは、あたかもそのソフト自身をダウンロードして
いると誤認します。

これは、ユーザーに該当ソフトウェアを入手していると思わせつつ、
実際には専用ダウンローダーを、元のソフトウェアの一部のように
錯誤させるといった行為です。これは、同一性保持の観点から改変
と見なされる危険を持っています。

また、本来のソフトウェアのダウンロードを行なう際に、御社との
契約を行なわなければならない旨のダイアログが表示されておりま
す。これは、前述の著作権者の送信可能化権に対する侵害となりま
す。

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● 著作者人格権の名誉声望保持権（著作権法第113条 侵害とみなす
　 行為 6項）の侵害

御社の専用ダウンローダーは、その利用によって、本来のソフトウ
ェアとは異なるソフトウェアの導入をユーザーに促します。専用ダ
ウンローダーを通してのソフトウェアの入手をユーザーに行わせる
ことは、ソフトウェアの利用と専用ダウンローダーの利用を同一の
ものとする行為です。

ユーザーが専用ダウンローダーの使用により不快を感じれば、本来
のソフトウェアの体験を損ね、著作権者の名誉声望を貶めることに
なります。

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本件に関して、御社の考えをお聞かせいただければ幸いです。

また本件に関して、他のソフトウェアの著作権者も大きな興味を示
しております。

そのため、本件に関する御社とのやり取りは、他のソフトウェア著
作権者の方々にも参考になるように、情報の共有を行なっていく予
定です。

本件に関しては、御社とことを構えようという意図で問い合わせを
行なっているのではありません。

やり取りの結果、ソフトウェアが適切に配信されれば、新しい配信
チャネルが増えることになり、弊社にとっても喜ばしいことです。
（それが最も望ましいことです）

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また、ここで追記しておかなければならないことがございます。現
時点では、御社から問い合わせがまだないために、御社に弊社ソフ
トウェアの再配布を許可しておりません。

ソフトウェアの再配布に関しては、許諾の問い合わせを行なってく
だされば、許可を出すことができます。ただし現状では、専用ダウ
ンローダーを利用しない形での再配布の許諾となります。

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御社の日本でのビジネスが、よりよい形で日本に根付くことを私達
ソフトウェア著作権者は願っております。

本件の返信を迅速にいただけましたら幸いです。

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クロノス・クラウン合資会社
代表社員　柳井政和

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[ソフトニック問題 1/6] ■ ソフトニックのソフトウェア著作物無断使用問題 概略
[ソフトニック問題 2/6] ■ ソフトニックの概要とビジネスモデル
[ソフトニック問題 3/6] ■ 著作権者に対するソフトニックの権利侵害
[ソフトニック問題 4/6] ■ 問題を指摘した著作権者へのソフトニックの返答
[ソフトニック問題 5/6] ■ ソフトニックへの弊社からの質問メールと現状の回答
[ソフトニック問題 6/6] ■ デジタルコンテンツに対する私の考え方