ソフトニック問題
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先述した問題点を再掲します。要約すると「著作物の無断使用と無断改変」ということに尽きます。
・ソフトニックに再配布を許諾していなくても、無断で再配布されている(送信可能化権の侵害)。
・再配布の際に、ソフトニックのツールバーをインストールするように、ラッピングされた形で再配布されている(ソフトウェアの無断改変による同一性保持権の侵害)。
・あたかも作者がソフトニックに再配布を許諾したように見えるので、ユーザーにとっては、ソフトニックのツールバーで発生したトラブルは、作者が引き起こした問題に見えてしまう(名誉声望保持権の侵害)。
・ユーザーがソフトを入手する際、一次配布元ではなく、ソフトニック経由での入手となってしまう(ソフトニックは、世界レベルでSEO対策をしている)。
● 無断使用の問題
最大の問題は、著作権者の意図しない形で、ソフトウェアを配布している点です。
ソフトニック(Softonic)に関しては、「こういった改変を行なってソフトウェアを配布したい」という許諾の問い合わせは、弊社に一切来ていません。
また、そもそも「再配布の許可」を得るための問い合わせもありませんでした。
そのため、自社ツールバーをユーザーにインストールさせるために、著作権者に無断で著作物を改変して利用していることになります。
これは、送信可能化権の侵害や、同一性保持権の侵害に当たります。
● 無断使用について補足
こういった問題に関して、ソフトの利用者からは「ソフト紹介サイトの広告と同じではないか」という意見があるかもしれません。
しかし、サイト上で二次配布を行なう場合でも、本来は許諾を取って行う必要があります。
許諾を取った上での広告掲載ならば、何ら問題はありません。
ソフトニックは、配信およびその方法について、著作権者に何も許可を取っていません(少なくとも、私のところには許諾の問い合わせは来ていません)。
そこが最大の問題になります。
● ユーザーサポートのコストの増大
ソフトウェアの作者は、ソフトを世の中に配布したら全てが終わりではありません。
ユーザーからの問い合わせに返信を書いたり、バグ報告の対応をしたり、バージョンアップの要望に答えたりと、様々な時間を割かれます。
ソフトニックによる、ソフトウェアの無許諾でのツールバーのバンドルや、作者の意図しない方法での再配布は、このユーザーサポートのコストを増大させます。
たとえば、ソフトニックのツールバー自身の問い合わせもあるでしょう。また、無断での配布に対する指摘もあるでしょう。インストール手順に関する質問もあるかもしれません。そういったことだけでなく、無断で再配布した上で、そのバイナリが壊れていたといったケースも報告を受けています。
こういったことは無駄なコストを増大させ、ソフトウェア著作権者の時間を奪う行為となります。
● ブランドイメージの低下
ソフトニックは現状、著作権者の権利を侵害して営業活動を行なっています。そのサイトに自分のソフトが掲載されることは、外部から見れば、その活動に賛同して協力しているように見えます。
これが、著作権者自身が選んだことならまだしも、無断でソフトウェアが掲載されているのは問題です。ソフトウェアおよびその著作権者のイメージを下げることになります。
[ソフトニック問題 1/6] ■ ソフトニックのソフトウェア著作物無断使用問題 概略[ソフトニック問題 2/6] ■ ソフトニックの概要とビジネスモデル[ソフトニック問題 3/6] ■ 著作権者に対するソフトニックの権利侵害[ソフトニック問題 4/6] ■ 問題を指摘した著作権者へのソフトニックの返答[ソフトニック問題 5/6] ■ ソフトニックへの弊社からの質問メールと現状の回答[ソフトニック問題 6/6] ■ デジタルコンテンツに対する私の考え方