第15話:正規表現

第2部 脱初心者プログラミング

目次

マンガ


















マンガ台詞

【1Page】
遊:先生の話は 最近難しすぎるわ
    少しは私の頭に合わせて 簡単にしてよ!
先生:…その台詞 言っていて 悲しくないか?
遊:ちょっとだけ
麗:それで 先生
    今日の内容は 何ですか?
先生:あー すまん
    これは お前たちには 難しすぎるな
    説明はやめるよ
麗:では 遊を除け者にして 話を進めてください
遊:何~!
    それは許さん!
【2Page】
守:それで 今日の内容は 何ですか?
先生:『正規表現』だ
3人:正規表現!?
遊:何それ?
先生:文字列の検索や 置換を行うための 特殊なルールだ
遊:はー(姿勢を変える)
    この期に及んで 新しいルール?
    ルール ルール ルール!
    私たち学生は 校則でがんじがらめよ!
【3Page】
遊:で それを使うと 世の中 手抜きで 渡っていけるの?
先生:渡っていける
    他人の読書感想文を 書き換えて 自分のものに したりできる
遊:先生 ぜひ 教えてください
先生:それじゃあ 『置換』の説明をしよう
    こういった感想文があったとする
        // 感想文を変数『s』に格納
        var s = "『吾輩は猫である』の感想"
            + " 内木守<br>"
            + " 『吾輩は猫である』を読みました。"
            + "主人公に感情移入して…";
    この感想文を置換して 遊くんの感想文にするぞ
        // 変数『s』内の『内木守』を『安見遊』に
        // 『replace』で置換する
        // その結果を、変数『s』に再び入れる
        s = s.replace(/内木守/g, "安見遊");
        document.write(s);
【4Page】
    『『吾輩は猫である』の感想 安見遊
 『吾輩は猫である』を読みました。主人公に感情移入して… 』と表示
遊:おおっ 素晴らしい!
    守の感想文が 私の感想文になった!
守:(げんなり)
麗:この『replace』の 1つめの引数が 検索する文字で
    2つめの引数が 置き換える文字 なんですね?
        s = s.replace(/内木守/g, "安見遊");
                        ↑            ↑
                検索する文字 置き換える文字
先生:そうだ
麗:でも 1つめの引数が 見たことのない 形式なんですが
        /内木守/g
先生:この部分が 『正規表現』の 特殊なルールになる
        『正規表現』の書き方
        範囲の先頭を表す文字
        ↓
        /検索内容/フラグ
                ↑
        範囲の末尾を表す文字
【5Page】
先生:まずは『フラグ』だ 初心者は2つだけ 覚えておけばよい
        『正規表現』の『フラグ』
        書き方    /検索内容/フラグ
        例        /内木守/g
        フラグ    ある場合            ない場合
        g        全て置換            1つだけ置換
        i        大文字、小文字を    区別する
                区別しない
先生:次に検索内容だが ここが『正規表現』の肝になる
    検索文字列に 特殊な記号を使えるのが
    『正規表現』の特徴なんだ
    詳しくは後で表を配るから 特によく使う記号だけ 説明するぞ
    まずは 『.』(ドット)だ
    これはどんな 文字でもよい 1文字を表す
    たとえば 『abcd axcy a1c2』を 『a.c』で検索すれば
    『a』と『c』の間に 1文字入っている 部分が一致する
麗:『a』『何でもいい1文字』『c』 というわけですね
先生:そうだ
【6Page】
先生:次は『[~]』だ
    これは 『[~]』内の どれかの文字と見なす という記号だ
    『a[bx]c』と 検索すれば…
守:『a』と『c』の間に 『b』か『x』が入っている 部分が一致します
先生:正解だ
先生:この『[~]』は 『[a-z]』のように 範囲指定もできる
    また『[^bx]』とすれば 『b』と『x』以外の文字という意味になる
    『a[^bx]c』と 検索すれば…
守:『a』『c』の間に 『b』『x』以外の文字 がある部分…
    つまり『a1c』のみが 一致します
        abcd axcy a1c2
先生:よくできたな これが『正規表現』 の基本になる
麗:基本ということは 応用もあるんですか?
【7Page】
先生:実は『正規表現』には たくさんの記号がある
    その使い方だけで 本が出ているぐらい 複雑なんだ
    全てを教えるのは 大変なので
    なるべく情報を 絞って教える
    この表を見てくれ
    『A』は好きな文字に 置き換えて構わない
        『正規表現』の記号の一部
        書き方    意味
        A+        1個以上のA(可能な限り長く)
        A        0個以上のA(可能な限り長く)
        A+?        1個以上のA(可能な限り短く)
        A?        0個以上のA(可能な限り短く)
        A{3}    3個のA
        A{3,}    3個以上のA
        A{3,5}    3~5個のA
        A|B        AまたはB
麗:なんだか非常に システマティック ですね
先生:ああ パズルみたい だろう
【8Page】
先生:あと『正規表現』の 『置換』には もう1つ特徴がある
    それは 検索結果の 再利用だ
    この文章の 名前を入れ替えて みるぞ
        var s = "安見遊は内木守より強い";
        s = s.replace(/(.+)は(.+)より/g, "$2は$1より");
        document.write(s);
    『内木守は安見遊より強い』と表示
遊:げえっ 私が守より 弱くなってしまった!
先生:すごいだろう このように
    『(~)』で囲んだ文字列は 後で取り出せるんだ
    『$1』は最初の『(~)』 『$2』は2番目の『(~)』 を意味する
    『(~)』内の『.+』は 『.(任意の文字)』となり
    『+(1個以上)』で 何にでも一致する
        "安見遊は内木守より強い"
        一致  一致
        /(.+)は(.+)より/
        取り出して利用
        "$2は$1より"
        2番目 1番目
        結果:内木守は安見遊より強い
【9Page】
先生:正規表現は 様々なテクニックが ネットで公開されている
遊:分かったわ
    分からない時は どんどん検索して 手抜きすればいいのね!
先生:まあ そういうことだ
遊:よーし 今日も頑張って 手抜きをするぞ!

説明

この章では、『正規表現』について学びます。『正規表現』は、文字列の検索や置換を行うための、特殊なルールです。この『正規表現』はJavaScriptだけでなく、多くのプログラミング言語や、検索ソフトでも利用されています。

『正規表現』はJavaScriptだけでなく、多くの場面で応用の利く知識です。『正規表現』をマスターすると、コンピュータをより高度に活用できるようになります。

それでは以下、『正規表現』について、詳しく解説していきます。

『正規表現』による『置換』

『正規表現』による『置換』を行う際は、検索する文字列と、置換する文字列を、以下のように書きます。

【正規表現による置換】

文字列オブジェクト.replace(/【検索する文字列】/【フラグ】,【 置換する文字列】)

上記は、文字列オブジェクトの、『replace』メソッドを利用して、文字列の置換を行う際の書式です(文字列もオブジェクトの一種で、プロパティやメソッドを持っています)。

『replace』メソッドでは、最初の引数に『検索文字列』と『フラグ』を、2番目の引数に『置換文字列』を書きます。この『検索文字列』と『フラグ』の部分(『/【検索する文字列】/【フラグ】』)が『正規表現』です。

【正規表現の部分】

/【検索する文字列】/【フラグ】

この『検索文字列』『フラグ』『置換文字列』には、実際には、以下のような内容を記入します。

記入領域 実際に書き込む内容
検索文字列 『文字列』と『正規表現の記号』を使った
検索の条件を表す文字列
内木守
フラグ 検索の方法を制御する記号 g
置換文字列 検索結果を、置き換える文字列 安見遊

上記の表の『例』の部分を、プログラムとして書いてみましょう。

var a = "『吾輩は猫である』の感想 内木守";  // 置換前の文字列
var b = a.replace(/内木守/g, "安見遊");     // 置換
alert(b);    // 結果を表示

【結果】

『吾輩は猫である』の感想 安見遊

『内木守』という文字列を検索して、『安見遊』という文字列に置き換えるプログラムです。この『replace』メソッドの引数に書いてある、『フラグ』の『g』は、『全て置換』という意味の記号です。

そのため上記のプログラムは、検索文字列『内木守』、フラグ『g』、置換文字列『安見遊』で、「文章中にある『内木守』という文字列を、『全て』『安見遊』に置換する」という処理になります。

『/』のエスケープ

さて、検索文字列は『/~/』のようにして、2つの文字で囲います。『/~/』の間に『/』を書きたい場合は、『\/』と書きます。

var a = "http://crocro.com/";    // 置換前の文字列
var b = a.replace(/http:\//g, "file:/");    // 置換。検索文字列内の『/』は、『\/』と書く
alert(b);    // 結果を表示

【結果】

file://crocro.com/

検索結果の取り出しと再利用

『検索文字列』中の『(~)』で囲んだ場所は、後で取り出して再利用できます。

正規表現の中で使用する際は、最初の『(~)』は『\1』という記号で、2番目の『(~)』は『\2』という記号で、3番目の『(~)』は『\3』という記号で……というように、『\』のあとに何番目の『(~)』かの『数字』を書いて、取り出すことができます。

以下の例では、『英数字で構成された文字列 (\w+?)』が、半角スペース後に『もう一度登場したら \1』、『重複』と置換しています(『\w』は英数字を表す正規表現の記号)。

var namae = "dog cat cat monkey rat rat cow";        // 置換前の文字列
namae = namae.replace(/(\w+) \1/g, "重複");        // 置換
alert(namae);        // 結果を表示

【結果】

dog 重複 monkey 重複 cow

また、『検索文字列』中の『(~)』で囲んだ場所は、置換用の文字列としても再利用できます。実際には、こちらの用途の方が多いと思います。

その際、最初の『(~)』は『$1』という記号で、2番目の『(~)』は『$2』という記号で、3番目の『(~)』は『$3』という記号で……というように、『$』のあとに何番目の『(~)』かの『数字』を書いて、取り出すことができます。

以下、実際に検索結果を取り出して再利用する例です。

var bunsyou = "安見遊は内木守より強い";        // 置換前の文字列
bunsyou = bunsyou.replace(/(.+)(.+)より/g, "$2$1より");        // 置換
alert(bunsyou);        // 結果を表示

【結果】

内木守は安見遊より強い

この場合、最初の『(.+)』に一致する文字列は『安見遊』、2番目の『(.+)』に一致する文字列は『内木守』となります。この検索で『(~)』部分に一致した2つの文字列は『$1』(最初の括弧内の文字列)、『$2』(2番目の括弧内の文字列)として取り出して、『置換文字列』内で再利用できます。

上記プログラムでは、『$2は$1より』というように、『(.+)』に一致した部分の順番(『$1』『$2』)を、『$2』『$1』と入れ替えることで、名前を入れ替えた文字列を作成しています。

『正規表現』の『検索文字列』

『正規表現』の『検索文字列』には、様々な記号や書式が使えます。検索に使える記号や書式は非常に多いです。その一部を以下に示します。

正規表現でよく使う記号や書式:

書き方 意味
A+ 1個以上のA(可能な限り長く)
A* 0個以上のA(可能な限り長く)
A+? 1個以上のA(可能な限り短く)
A*? 0個以上のA(可能な限り短く)
A? 0または1個のA
A{3} 3個のA
A{3,} 3個以上のA
A{3,5} 3~5個のA
A|B AまたはB
ABC|DEF ABCまたはDEF
[ABC] A,B,Cのいずれか1文字
[A-C] A~Cのいずれか1文字
[^ABC] A,B,C以外のいずれか1文字
. 任意の1文字
.+ 任意の1以上の文字
^A Aで始まる文字列
A$ Aで終わる文字列
A.+B 『A(任意の文字列)B』(可能な限り長く)
A.+?B 『A(任意の文字列)B』(可能な限り短く)
A[^\/]+B 『A(『/』を含まない文字列)B』

以下、マンガ中で出てきた検索内容を、実際にプログラムとして書いて解説します。

実例1 『.』(ドット)を使った置換

まずは最初の例です。『.』(ドット)を使った検索です。

var a = "abcd axcy a1c2";    // 置換前の文字列
var b = a.replace(/a.c/g, "●");    // 置換
document.write(b);    // 結果を表示

【結果】

●d ●y ●2 

この例では、『a.c』を検索文字列として設定しています。『.』(ドット)は、どんな文字でもよい、任意の1文字を表す記号です。そのため『a.c』は、『a』『何でもよい1文字』『c』という文字を表すことになります。つまり『a』と『c』の間に、1文字だけ何かが入っている部分は、全て一致することになります。

上記の例では『abcd axcy a1c2』のうち、『abc』『axc』『a1c』という部分が一致します。

実例2 『[~]』を使った置換

次は『[~]』を使った検索です。これは『[bx]』などのように、角括弧の中にいくつかの文字を入れて使用します。『[bx]』と書いた場合は『bかxの文字1つ分』という意味になります。

それでは『a[bx]c』という検索文字列を設定して、置換を行ってみます。

var a = "abcd axcy a1c2";    // 置換前の文字列
var b = a.replace(/a[bx]c/g, "●");    // 置換
document.write(b);    // 結果を表示

【結果】

●d ●y a1c2 

『a』『bかxの1文字』『c』という条件に一致する『abc』と『axc』が置換されて『●』に置き換わります。

実例3 『[~]』を使った置換2

この『[~]』を使った検索では、『[abcde]』と1文字ずつ書く以外にも、文字列の範囲を指定することができます。『[a-z]』とすれば、小文字の『a』から『z』までの文字全てとなります。また、『[a-dxyz]』のように、『a』から『d』の範囲と『x』『y』『z』、といった指定を行うことも可能です。

また、後述の『正規表現でよく使う記号』を混ぜて『[a-z\t\n]』のように書くこともできます。この場合は、『a』から『z』の範囲の文字全てと『タブ文字』と『改行』の、いずれかに該当する1文字となります。

以下、範囲を指定した検索文字列の指定の例です。

var a = "abcd axcy a1c2";    // 置換前の文字列
var b = a.replace(/a[a-f]c/g, "●");    // 置換
document.write(b);    // 結果を表示

【結果】

●d axcy a1c2 

『a』『aからfの範囲の1文字』『c』という条件に一致する、『abc』が置換されて『●』に置き換わります。

実例4 『[^~]』を使った置換

『[~]』を使った検索では、『条件に一致する任意の1文字』を指定していました。しかし時には『条件に一致しない任意の1文字』を検索対象にしたい場合もあるでしょう。そういった場合に利用するのが『[^~]』という書き方です。

『[^~]』は、角括弧内の文字列に一致しない任意の1文字を指定する書き方です。『[^bx]』とすれば、『b』『x』以外の何か1文字という意味になります。

以下、『[^~]』を利用した置換の例です。

var a = "abcd axcy a1c2";    // 置換前の文字列
var b = a.replace(/a[^bx]c/g, "●");    // 置換
document.write(b);    // 結果を表示

【結果】

abcd axcy ●2 

『a』『bでもxでもない1文字』『c』という条件に一致する、『a1c』が置換されて『●』に置き換わります。

『正規表現』の記号のエスケープ

『正規表現』の記号を、記号ではなく文字列として扱いたい場合は、文字の直前に『\』を付けます。

var a = "本[book]";        // 置換前の文字列
var b = a.replace(/\[book\]/g, "");    // 置換
document.write(b);        // 結果を表示

【結果】

『\[』『\]』というように、『[』『]』の文字列を、『\』記号でエスケープしています。

上記のプログラムの場合、『[book]』という文字列がそのまま検索対象になります。そして検索文字列が、置換文字列『""』(空の文字列)で、置き換わります。そして、置換の結果残った文字列『本』が、変数『b』に入ります。

また、『\』自身を指定する場合は『\\』と書きます。

var a = "directory\\file.txt";     // 置換前の文字列
    // 文字列中の『\』は、実際には『\』に変換されて使用される

var b = a.replace(/^.+\\/g, "");  // 置換
document.write(b);        // 結果を表示

【結果】

file.txt

この『\』を『\\』と書く方法は、『正規表現』以外の文字列でも使用します。最初の行で『directory\\file.txt』と書いてある部分は、実際には『directory\file.txt』として、プログラム内では扱われます。

上記の検索文字列『^.+\\』の『.+』の部分は、「1文字以上の任意の文字列」となります。そのため、先頭(先頭を表す記号『^』)から『\』まで全てが、検索対象となります。

上記のプログラムは、先頭から『\』までの範囲の文字列を検索文字列として、置換文字列『""』(空の文字列)で置き換えるという処理です。結果として、『\』までの部分が全て削除された文字列『file.txt』が、変数『b』に入ります。

正規表現の、その他の記号

正規表現でよく使う記号

記号 意味
\d 数値([0-9]と同じ)
\D 数値以外([^0-9]と同じ)
\w 英数([A-Za-z0-9_]と同じ)
\W 英数以外([^A-Za-z0-9_]と同じ)
\n 改行
\r 復帰
\t タブ文字
\s スペース、タブ、改ページ、改行を含む、1つの空白文字
\S \s以外の文字

正規表現で知っていると役立つ書式(グループ化)

書き方 意味
(?:aaa) 『aaa』に一致するが、後で『$番号』として取り出さない
aaa(?=bbb) 『aaa』に『bbb』が続く場合に一致。『bbb』は検索結果に含めない。
aaa(?!bbb) 『aaa』に『bbb』が続かない場合に一致。『bbb』は検索結果に含めない。

グループ化の例

以下、グループ化の例です。

var a = "abcdef abcxyz";    // 置換前の文字列
var b = a.replace(/abc(?=xyz)/g, "---");    // 置換
document.write(b + "<br>");        //結果を表示

【結果】

abcdef ---xyz

上記のプログラムの検索文字列『abc(?=xyz)』は、『abc』に『xyz』が続く場合に一致。ただし、『xyz』は検索結果に含めないという意味になります。

以下、もう一例です。

var a = "abcdef abcxyz";    // 置換前の文字列
var c = a.replace(/abc(?!xyz)/g, "---");    // 置換
document.write(c + "<br>");        // 結果を表示

【結果】

---def abcxyz

上記のプログラムの検索文字列『abc(?!xyz)』は、『abc』に『xyz』が続かない場合に一致。ただし、『xyz』は検索結果に含めないという意味になります。

それぞれ、『?』のあとが『=』なら『一致』、『!』なら不一致と覚えておくとよいです。

『正規表現』の『フラグ』

JavaScriptの『正規表現』では、『フラグ』として以下の文字を利用できます。

フラグ 説明
g 全部を置換する
(gがなければ最初の1つのみを置換)
i 英語の大文字、小文字を区別せずに扱う
(iがなければ区別する)
m 文頭『^』や文末『$』の一致処理を、各行の行頭や行末にも適用する
(mがなければ、文頭『^』や文末『$』は文字列の先頭と末尾のみに適用)

『フラグ』は『ig』のように、複数指定しても構いません。1つでも構いませんし、何も指定しなくても構いません。

以下、実際に『フラグ』を指定した例を示します。

var a = "abcdef ABCDEF abcdef ABCDEF";  // 置換前の文字列
var b = a.replace(/abc/gi, "---");      // 置換
document.write(b + "<br>");             // 結果を表示

var c = a.replace(/abc/g, "---");   // 置換
document.write(c + "<br>");         // 結果を表示

var d = a.replace(/abc/, "---");    // 置換
document.write(d + "<br>");         // 結果を表示

【結果】

---def ---DEF ---def ---DEF
---def ABCDEF ---def ABCDEF
---def ABCDEF abcdef ABCDEF

最初の例では、『g』『i』と2つの『フラグ』を指定しています。そのため、一致した全ての文字列を対象にして、大文字小文字の区別を付けずに、置換を行っています。

2番目の例では、『g』1つだけ『フラグ』を指定しています。そのため、一致した全ての文字列を対象にして、大文字小文字の区別を付けて、置換を行っています。

3番目の例では、『フラグ』を指定していません。そのため、一致した最初の文字列を対象にして、大文字小文字の区別を付けて、置換を行っています。

参考

『無名関数』を使った『置換』

『replace』メソッドの『置換文字列』部分には、文字列だけでなく、関数を指定することができます。これは、配列のソート処理の引数に、関数を指定したことに似ています。

【正規表現の書き方2】

文字列オブジェクト.replace(/【検索する文字列】/【フラグ】,【 置換処理を行う関数オブジェクト】)

上記の書き方で、『replace』メソッドの引数に、関数オブジェクトを指定した実例を示します。

var a = "掛け算12 掛け算34 掛け算56";    // 置換前の文字列
var b = a.replace(/掛け算(\d)(\d)/g, function (str, s1, s2) {
    var calc = s1 * s2;
    return "結果" + calc;
});        // 置換
document.write(b);        // 結果を表示

【結果】

結果2 結果12 結果30

上記のプログラムの説明を行います。

『replace』メソッドの引数に指定した関数オブジェクトの、最初の引数『str』は、検索に一致した全体を表します。

2つ目の引数『s1』は、最初に『(~)』に一致した部分になります。また、3つ目の引数『s2』は、2番目に『(~)』に一致した部分になります。以降、引数を増やせば、『(~)』に対応した引数を1つずつ増やせます。これらの2番目以降の引数は、置換文字列で指定した『$1』『$2』などと同じ内容になります。

上記のプログラムでは、『(\d)』『(\d)』とすることで、『s1』に1文字目の数字を、『s2』に2文字目の数字を格納しています。最初の一致部分『掛け算12』では、『s1』が『1』、『s2』が『2』になっています。そして、関数内で計算を行い、戻り値として『結果2』という文字列を作成しています。

置換処理を行う関数オブジェクトでは、戻り値の内容が、置換される文字列になります。そのため、『掛け算12』は、戻り値である『結果2』に置換されます。

続けて、『掛け算34』では、戻り値が『結果12』、『掛け算56』では、戻り値が『結果30』になります。最終的に、『掛け算12 掛け算34 掛け算56』という元の文字列は、『結果2 結果12 結果30』という文字列に置換されます。

『正規表現』オブジェクト

『正規表現』は、『/~/フラグ』と書いてきました。しかし、これは正規表現オブジェクトを簡略化した、特殊な書き方です。

実際は『RegExp』という正規表現オブジェクトが内部的には使われており、このオブジェクトが、置換や検索の引数として利用されます。

この『RegExp』は、『new』を使い、オブジェクトとして作成して、変数に格納できます。何度も使う検索式は、変数に入れて再利用するとよいです。

var re = new RegExp("abcd", "ig");  // 正規表現オブジェクトを作成
var a = "abcd aBCd aXYd";           // 置換前の文字列
var b = a.replace(re, "----");      // 置換
document.write(b);    // 結果を表示

【結果】

---- ---- aXYd

この正規表現オブジェクトは、『/~/フラグ』という書き方で作成することもできます。

var re = /abcd/g;     // 正規表現オブジェクトを作成
var a = "abcd aBCd aXYd";       // 置換前の文字列
var b = a.replace(re, "----");  // 置換
document.write(b);    // 結果を表示

【結果】

---- aBCd aXYd

『正規表現』による検索

『正規表現』を利用すれば、複雑な検索を行えます。『正規表現』の検索方法として代表的なものを、以下に示します。

書き方 意味
文字列.match(正規表現) 文字列の『一致した部分の情報』、もしくは『null』を返す
文字列.search(正規表現) 文字列の『一致した位置』、もしくは『-1』を返す

『match』- フラグに『g』がない場合

『match』メソッドの戻り値には、検索結果にまつわる多くの情報が含まれています。その内容は、正規表現に『g』フラグがあるかどうかで変わります。

以下、まずはフラグに『g』がない場合(一致は1つ)の例を示します。

var a = "mn abcd aBCd aXYd mn";
var res = a.match(/a(.)(.)d/i);
if (res !== null) {
    document.write("入力文字列 : " + res.input + "<br>");
    document.write("一致位置 : "   + res.index + "<br>");
    document.write("結果格納数 : " + res.length + "<br>");

    // 0は一致した文字列全体、1以降は丸括弧の中身
    for (var i = 0; i < res.length; i ++) {
        document.write("結果" + i + " : " + res[i] + "<br>");
    }
}

【結果】

入力文字列 : mn abcd aBCd aXYd mn
一致位置 : 3
結果格納数 : 3
結果0 : abcd
結果1 : b
結果2 : c

検索結果を、『if (res !== null)』のように『if』文で囲っていることも注目してください。検索した結果、一致する部分がない場合には、『res』は『null』になります。そのため、検索が一致する場合のみ、情報を取り出しています。

一致した場合、『match』の戻り値は配列です。通常の配列に『input』『index』というプロパティが追加されています。

書き方 意味
res.input 入力文字列
res.index 一致の位置
res.length 結果格納数
res[0]
res[1]
res[2]
:
一致の全体
最初の丸括弧の中身
次の丸括弧の中身
:

『match』- フラグに『g』がある場合

次はフラグに『g』がある場合(一致は複数)の例を示します。

var a = "mn abcd aBCd aXYd mn";
var res = a.match(/a(.)(.)d/ig);
if (res !== null) {
    document.write("結果格納数 : " + res.length + "<br>");

    // 一致した文字列全体が順に入っている
    for (var i = 0; i < res.length; i ++) {
        document.write("結果" + i + " : " + res[i] + "<br>");
    }
}

【結果】

結果格納数 : 3
結果0 : abcd
結果1 : aBCd
結果2 : aXYd

一致した場合、『match』の戻り値は配列です。

書き方 意味
res.length 結果格納数
res[0]
res[1]
res[2]
:
最初の一致
次の一致
その次の一致
:

『search』

『search』の例も示します。『search』の戻り値は、一致した位置(0から始まる)になります。

var a = "mn abcd aBCd aXYd mn";
var pos = a.search(/a(.)(.)d/i);
document.write("一致位置 : " + pos);

【結果】

一致位置 : 3

サンプルの入手

以下は、今回出てきたサンプルです。

ZIPでまとめてダウンロード (右クリックから保存してください)

sample1.html』(感想文の置換)を表示

sample2.html』(検索結果の再利用)を表示

sample3.html』(説明中の置換処理まとめ)を表示

sample4.html』(『無名関数』を利用した置換)を表示

sample5.html』(正規表現オブジェクト)を表示

sample6.html』(正規表現による文字列検索)を表示

プログラムの中身を見たい場合は、それぞれのHTMLファイルをブラウザで開いたあと、右クリックをして『ソースの表示』を選択してください。

メモ帳で、ファイルの中身を見ることができます。

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